血管内の圧力が高く、動脈血管に負担が大きくかかっている状態が高血圧です。高血圧が続くと動脈硬化が進んでしまいます。動脈硬化によって、心筋梗塞や脳梗塞・狭心症・腎臓病などを発症するリスクが高くなります。
高血圧リスクの高い方とは
- 肥満の方
- 糖尿病・動脈硬化のある方
- 両親の両方もしくは片方が高血圧である
- 運動不足
- 睡眠時無呼吸症候群
- 慢性的なストレスを抱えている方
- 睡眠不足・睡眠の質が低下している方
- 不規則な生活を送っている方
- 喫煙習慣がある方
高血圧治療ガイドラインによる降圧目標値(2019年4月発表)
糖尿病や腎臓病など合併症がない場合
75歳未満 | 130/80mmHg |
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75歳以上 | 140/90mmHg (脳の主幹動脈に高度な狭窄がなければ75歳以上でも130/80mmHgを目指す) |
上記を目標目安として、血圧コントロールをしっかりと行うことが重要です。
更年期以降の女性は注意が必要
男性の場合、高血圧の発症は30歳代から始まるのが多い一方で、女性は更年期とする40~50歳代に発症する方が増えます。女性は、閉経に向けて女性ホルモン分泌が大きく揺らぎながら減少していきます。これが高血圧の発症に繋がります。更年期障害の症状の一つに高血圧も含まれるため、この年代の女性は、高血圧に注意する必要があります。このため、更年期になったら、定期的に検査を受けること・食事や運動に気を付けることが大切です。
仮面高血圧
高血圧は、通常家庭で計測する数値よりも、診察室で測る数値が高く出る傾向にあります。それと逆で、診察室では低く、家庭では高く出る場合があります。この状態を仮面高血圧と言います。仮面高血圧の場合、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが約2倍にも上がるとされるため、注意が必要です。仮面高血圧では、早朝に家庭で計測した血圧値を基本に治療を行います。
高血圧の治療方法
高血圧でも、正常値に近くその他の生活習慣病を発症していない場合は、食事習慣の改善・運動習慣の定着などを行います。減塩・禁酒・節酒・禁煙・適度な運動などを行い、体重を適正に戻していきます。生活習慣の改善を行っても血圧値に効果が見られない場合は、降圧剤による治療を行います。