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医療法人になったけど…そこからが本当に大変だった話 ― 医療DX時代の「変更手続き地獄」 ―

このたび当院は、開業から3年目を迎え、個人診療所から医療法人社団PANDAへ移行いたしました。

「おめでとうございます!」「それはすごい!」
と、ありがたいお声をいただく一方で、実はその裏で――
**“地味に大変すぎる手続きラッシュ”**が待っていたのです。

■ ただの「法人化」では済まない時代
昔であれば、医療法人化の後に必要なのは、登記、保健所や厚生局への届け出程度でした。
しかし今は違います。

そう、私たちは今、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)時代に生きているのです。

法人名義が変われば、電子的なすべての仕組みが**“根っこから作り直し”**になります。

■ 電子証明書がすべてのカギ
とにかく大きいのが、電子証明書関連の再発行・再登録です。

オンライン資格確認端末(マイナ保険証)
オンライン請求システム(診療報酬請求)
電子処方箋対応システム
レセプト送信、医師資格確認
電子カルテ連携機能 などなど…

すべてに**“旧法人名義ではアクセスできない”**ため、電子証明書を法人名義で再取得し、各システムに登録し直す必要があります。

しかも、これらはシステムごとに異なるベンダーや機関との調整が必要。
日々の診療の合間に、これをすべてやるのは、正直なところ一苦労です。

■ 電子カルテ連携が想像以上に厄介
とくに難航したのが、電子カルテとの再接続作業です。

請求ソフトと資格確認端末の再接続
法人名義の電子証明書の反映
通信設定や各種パスワードの更新
月次請求前後の動作確認

ミスがあればレセプトが送れない、資格確認できない、返戻になるという…もはや命綱レベルの話です。

■ 加算の再申請が“全件必要”
さらに見落としがちですが、診療報酬の各種加算に関する届け出もすべて**「出し直し」**になります。

情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)に関する届出
医療情報取得加算(医療DX推進体制加算)
特定疾患療養管理料(特定疾患管理用プログラム使用)または治療用アプリ等使用に係る届出
神経学的検査に関する届出
コンピュータ断層撮影(CT)及び磁気共鳴画像診断(MRI)撮影に係る施設基準  などなど…

提出済みだったとしても、個人→法人で施設基準が変わるため、一から再提出が必要になるのです。

しかも、様式が地味に変わっていたり、申請先が異なることもあり、確認・準備に時間がかかります。

■ 結論:法人化は「終わり」ではなく「始まり」
医療法人化は、経営面では大きなメリットもある一方で、
医療DX時代における実務面では、まさに“第2の開業”レベルの対応が必要でした。

それでも、すべては患者さんに安定した診療を継続するため。
これからもスタッフ一丸となって、診療の質を落とさず、システムも安定稼働できるよう努力してまいります。

ご自身で開業を検討されている先生方、
「法人化=書類だけの変更」だと思っていたら、要注意です。
**DX時代は、電子の壁が高い!**という現実を、私は身をもって実感しています。

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