日常的に繰り返す「慢性的な頭痛」にお悩みの方は、全国で３人に１人（４０００万人）はいると言われています。 その中で３分の２は、緊張型頭痛といって頭や首、肩の筋肉の緊張・収縮が原因で起こる頭痛です。残りの方の多く（８４０万人）は、片頭痛でお悩みと考えられています。
片頭痛のほうが日常生活に支障をきたすことが多く、医療機関を受診する頭痛患者では片頭痛の方が緊張型頭痛よりもずっと多いのが現状です。
そんなつらい頭痛の代表となる「片頭痛」ですが、一般での認識は低く、市販薬でまぎらわしたり、ただ我慢して嵐が過ぎるのを待つという対応をしている方が多いようです。
また、片頭痛も慢性化するとズキンズキンとした拍動性の痛みから、緊張型頭痛のようなダラダラとした痛みに変化していくことも多いため、緊張型頭痛と間違われることも少なくありません。
その結果、鎮痛薬の使い過ぎによる薬物乱用性頭痛を引き起こしたり、痛みを感じる中枢が過敏になって、ますます日常的に繰り返す「慢性的な頭痛」になっていきます。
当院では、日常生活に支障をきたす「慢性的な頭痛」で受診された方には、命にかかわる頭痛の原因がないかを調べたうえで、片頭痛の可能性はないかと疑い診断を進めていくようにしています。
片頭痛はただ頭の片側が痛くなるだけのもので我慢するしかないと考えてはいけません。 頭痛の起こる仕組みがかなり解明されている、れっきとした疾患です。 この数年間で片頭痛に対する投薬治療の選択肢が驚くほど広くなっており、有効性も高まっています。 適切な対応を見つけて治療していくことで、慢性的な頭痛から抜け出して、生活の質を向上していけるようお手伝いいたします。
